モメない退職
競業禁止事項はどこまで効力があるか
秘密漏洩防止を目的に、従業員が会社を退職した後、会社と同種の会社に就職したり、同種の企業を営むことを防ぐためには、従業員に競業避止義務を負わせなくてはなりません。しかし、従業員にも職業選択の自由があり、無制限にはできません。
就業規則で、従業員が退職した後の競業避止(ひし)義務を規定
競業避止義務の内容は合理的でなければなりません。更に、入社時、退社時に、それぞれ従業員との間で、従業員の競業避止義務を定める契約を締結することをお勧めします。
競業の制限が合理的か否かは、①競業制限の期間が長すぎないか(制限期間)、②競業の制限の場所的範囲が広すぎないか(限定性)、③競業の制限の対象となる職種の範囲が広すぎないか、④競業の制限の代償が従業員に与えられているか(相当の手当)、等を基に判断されます。
(就業規則改善例として…)
《・・・誓約書を締結する従業員は、退職後6ヶ月間は○○及び隣接県の同業他社に転職又は同業にて開業してはならない。・・・》 と規定します。
年次有休休暇の買い取りは違法か
引き継ぎをせずに有給休暇消化する退職者
退職の届出と同時に年次有給休暇(有休)の取得を始める、退職日まで有休消化で出勤せず、引き継ぎを行えない。という相談が有ります。有休取得は、労働者に認められた権利であり、一方的にその消化の全てを拒否することはできません。
日ごろから、有休の取得を促進する(残日数を減らす)、引き継ぎ業務の大切さを訴えるなどの努力が必要でしょう。
(就業規則改善例として…)
《・・・労働契約を終了する社員は、契約終了日までに誠実に勤務し引き継ぎを行う。・・・》や 《・・・業務の引き継ぎが完了しないで退職しようとする場合は、懲戒(退職金の減額)の対象になる。・・・》と規定します。
それでも有休残日数が多い場合は、有休の買い取りも可能です。
権利消滅前の有休の買い取りは有休そのものの法の趣旨と反し「禁止」されています。しかし、退職にともなる有休の残日数を買い取る形での対応ならば法的な問題は有りません。